現在京都にお住まいの作家・いしいしんじさん×[京都みなみ会館]のはじめてのイベント
「いしいしんじのその場小説 夫婦善哉の巻」を初体験してきました。
その場小説とは、
いしいさんが見物人のいる"その場"で、小説を書き、かつ同時に朗読するというパフォーマンス。
その場所、観客の空気を含みながら言葉をつむいでいく、その"生々しさ"が小説とはまったく違います。
1月22日 金曜日の夜、8時。
ふだんは静かな[みなみ会館]には、大、大行列。整理券を配布する混雑ぶりです。
160人の定員は事前予約でほぼ満席という、大人気イベントでした。
いしいさんの小説が好きな人も、
「夫婦善哉」が好きな人も、
[みなみ会館]が好きな人も、
(遠くは東京から来られた方もいたそうです...!)
みんな集まって上映開始!
「夫婦善哉」は昭和初期の船場を舞台にした1955年公開の織田作之助の映画。
森繁久彌演じる船場の大店の若旦那が売れっ子芸者(淡島千景)と駆け落ちし、
変わらず遊びほうけるダメな放蕩息子と貧しい暮らしを支える女のどーしようもない毎日をコミカルに描く昭和の名作です。
2時間の上映後、明かりを落としたまま、いしいさんが壇上へ。
映写機の白い光のなかで、
静かに語りはじめます。
鉛筆を走らせる音と、静かに読んでいくいしいさんの声、ときどきページをめくる音。
観客は、モノクロームの世界のなかで物語が動き始める瞬間を、目の当たりにするのです。
真っ白なスクリーンにはいしいさんの描く世界が広がっていきます。
なんとも不思議な心地よい空間がゆっくりと[みなみ会館]に生まれ、
その夜限りの、見たことも聞いたこともない劇場が出来上がっていくように感じました。
みなみ会館も、観客もまた、物語の大切な一部なのです。
物語にのめり込み、はっと我に返ると、いしいさんは鉛筆を静かに置き、小説は完成していました。
上映後のいしいさんにインタビュー。
「映画館という非日常の空間のなかで、その場小説を書いたのははじめてなんですが、
30分ぐらいだと思っていた時間が、ほんとうは1時間近く経っていて、
映画館というのは、時間が延び縮みする場所なのだなと感じました。
『その場小説』はこれまで美術館やギャラリーでしてきたので
アートなパフォーマンスだと思われているけれど、そんなことはなくて、
いろんな場所でするからこそ、生まれるもの、発見することがあると思いますよ。
ここ[みなみ会館]で、160人で観た『夫婦善哉』、最高でしたよ!」
はい! わたしたちも最高でした!
次回は2月24日(水)に京都の[クラブメトロ](イベントカレンダーで2/5アップします)、
4月には東京のとあるお寺で開催予定だそう。
こんな素敵なイベントを企画してくださった[みなみ会館]の藤原さん、
いしいしんじさん、本当にありがとうございました!
ちなみに藤原さんはいしいさんの大ファンで、
映画好きのいしいさんが[みなみ会館]の会員になり通われているのをきっかけに、
思い切ってお願いをしたそうです...!
そのおかげで、こんな素敵な会が開催されたのです。
[京都みなみ会館]さんのブログにも紹介されています。映画の最新情報もありますので
こちらからぜひご覧になってみてください。
京都みなみ会館大賞
http://blog.livedoor.jp/minami_award/
(キタジマ)
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