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《緑の服の女》WEB.jpg

《緑の服の女》  1930/油彩・合板/ポンピドゥーセンター

© 2010 TAH Licensed by MMI

Photo MNAM, Dist. RMN / DNPartcom

ADAGP & SPDA


街なかにあふれる展覧会のポスターのなかで、

ひときわ目を引く緑の服の女。

グリーンの瞳に浮かぶ官能的な視線...。すごい目ヂカラです。


518日から「美しき挑発 レンピッカ展」が[兵庫県立美術館]で始まりました。


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そのグラマラスな作風で知られるレンピッカ。

アール・デコのアイコンとして認められている女性画家は、

モデル顔負けの美貌の持ち主。

エントランスから、ロングドレスを着たレンピッカの

美しいポートレートが迎えてくれます。グラマラス! 

クラクラします...。


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「ロングドレスを着たタマラ」  1929年頃/ドラ撮影

Right of Reproduction © 2010 Tamara Art Heritage Licensed by MMI NYC / D'Ora

 


圧倒的に美しく、物腰が強い画家の生き方そのものが写しだされた作品の数々。

鮮やかな色彩と、力強いラインは独特の輝きに満ちています。

作品それぞれは大きいものではありませんが、深いオーラが漂い、

前に立つと作品が迫ってくるような感じです。

それでいて、色香が漂ってきていつのまにか包み込まれるような。


 

「女性がコルセットから解放された」時代といわれる1920年代、

レンピッカの自由奔放な生き方は羨望と批判の的でしたが、

それをものともせずに生き、

それゆえ描いた絵は、まさに画家そのものの強さがあるのです。


《サン・モリッツ》WEB.jpg

《サン・モリッツ》  1929/油彩・板/オルレアン美術館蔵

© 2010 TAH Licensed by MMI

Photo Orléans, musée des Beaux-arts. Photo, François Lauginie

ADAGP & SPDA


 


優雅なレンピッカに負けず劣らず、

今回の展覧会をとりまく女性陣も豪華です。

テーマソングはマドンナ、作品とコラボしたドレスデザインは桂由美、

音声ガイドは夏木マリ、とそうそうたる顔ぶれ。


マドンナはレンピッカの蒐集家としても知られていて、ジャケットやPVにも使用するほど好きなのだそうです。

 

世界を代表する歌姫もリスペクトするレンピッカ、

その才能と魅力(もちろん外見も)を知り尽くし表現する「セルフ・プロデュース」力を学ぶ場としても、

ぜひ実物を見てほしい展覧会です。あなたも美を磨きたくなるはず。


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「ベールを被ったタマラ」  1938年頃/ジョフェ撮影

Right of Reproduction © 2010 Tamara Art Heritage Licensed by MMI NYC / Joffe



2010518日(火)〜725日(日)

兵庫県立美術館 ギャラリー

神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1HAT神戸内)

10:0018:00(入館は17:30まで)

詳しくは展覧会公式HP

http://www.ytv.co.jp/lempicka/



平城京遷都1300年の今年は、奈良でさまざまなイベントや大事業が行われていますね。

奈良のシンボルである「大仏さん」が鎮座する[東大寺]では、
先日、同寺初となる、本坊への襖絵奉納式が執り行われました。

[東大寺]からの依頼を受けて、日本画家・小泉淳作画伯が約5年もの歳月をかけて制作した、
40面の襖絵が完成したのです。

奉納式は大仏殿で、大仏様のお膝元に桜を描いた4面の襖絵を置き、
一般の拝観者も見守るなか、目録贈呈や読経、焼香が粛々と進められました。

奉納式.jpg

その最中、とあるガイドさんが観光客に
「○○さん、シャッターチャンスでっせ!  大仏さん、ポーズとってはりますよ!」
と(おそらく毎日使っているのであろう)冗談を言う声が聞こえてきたのですが、
昨日はまさに「大仏さん&襖絵」をひとつのフレームに収める世紀のシャッターチャンスだったわけです。
心なしか嬉しそうな大仏さん・・・(気のせいです)

おふたり、桜の前で.jpg



式の後、
本坊の大広間に配される予定の
襖絵『東大寺本坊の桜』の前で、

小泉淳作画伯(左)と、
東大寺・上野道善管長(右)。






その後、[奈良県新公会堂]にて記者会見。

襖絵は「桜」「蓮池」「鳳凰」「飛天」「散華」という5つのテーマで制作。
[東大寺]が華厳宗の大本山であることから、墨絵ではなく、(その名の如く)鮮やかな色で華やかに描かれています。
「繧繝彩色(うんげんさいしき)」という、奈良〜平安時代頃の描き方を用い、同寺の歴史に沿うようにしたとのこと。
その彩色は、色をぼかさず、グラデーションとなる色を段階的に隣へ隣へ塗っていく方法なので、
図柄がくっきりとし、力強い印象となっています。

小泉画伯ごあいさつ.jpg

制作にあたって画伯は「自分を無にする(ところ)から出発した」そうで、
無心になって、全身全霊を注ぎ込んで描き上げた今の気持ちを問われ、
「あとはもぬけの殻になって、何も考えないで余生を暮らします」
とおっしゃっていました。

そうは言ってもすごくお元気なので、
きっとまた絵を描かれることと思いますが(笑)。




作品の出来については「自分では全くわからない。どう評価するかは、みなさんにお任せします」とし、
「(後世の人々からの評価も)"死んだ誰か"が描いたんだ、程度に思ってもらうだけでいい」と、
落款さえ押さなかったそう。
...85歳の大画伯は、謙虚を通り越して達観されています!


会場には『しだれ桜』と『蓮池』が4面ずつ展示され、制作中の様子を記録したVTRも上映されました。

大広間・桜の間に配される、桜を描いた襖絵については、
「西行の(詠んだ歌)『願はくは花のもとにて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月の頃』みたいにしたかった。
だから、桜ばっかり!」とコメント。桜が画面いっぱいに咲き誇る、夢幻的な作品です。

しだれ桜600.jpg

『しだれ桜』(上)は、奈良県宇陀市にある 樹齢3000年の「又兵衛(またべえ)桜」を取材。
右肩に浮かぶのは月ではなく、「昼間の太陽」だというから、ますます幻想的に見えてきます。

蓮池(4面)600.jpg

蓮池の間の『蓮池(16面中4面)』(上)制作風景VTRでは、
大きな画面(襖)のうえに座布団を載せて、ちょこんと乗って描く画伯が映りました。
丁寧に心を込めて、優しく筆を動かす姿は慎ましやかで、その画伯の気持ちや姿勢が、
華やかかつダイナミックな絵に、繊細さと優しさを含ませたのだと感じました。

この襖絵40面は、2011年2月以降に東大寺・本坊に納められた後は一般公開されませんが、
その前に今秋以降全国を巡回します。(詳細は下記を参照)

気迫溢れる日本画の大作、ぜひその目でご覧下さい!

(fucuco)

※ 掲載している画像の無断転用・転載は堅く禁じます。

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「小泉淳作展(仮)」
『東大寺・本坊襖絵』、『聖武天皇・光明皇后の御影(肖像画)』(東大寺)のほか、
代表作の山水画、静物画などを紹介。
小泉淳作画伯の60年余りに渡る画業の奇跡をたどる展覧会。
2010年9月8日(水)から、日本橋髙島屋で開催の後、
横浜髙島屋、京都髙島屋、大阪髙島屋を巡回予定。

華厳宗大本山 東大寺
JR・近鉄奈良駅より市内循環バス「大仏殿春日大社前」下車、徒歩5分
●入堂料
 大仏殿、法華堂(三月堂)、戒壇堂
 大人:500円、子供300円
●拝観時間
 11月~2月:8時~16時半
 3月:8時~17時
 4月~9月:7時半~17時半
 10月:7時半~17時

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★奈良へいくなら!

なんと愉快な奈良の本(780円) 発売中


nantoyukaina_naranohon01.jpg世界遺産の宝庫古都奈良は、今年平城遷都1300年を迎える、
今一番の注目エリアです。
そんな奈良の1300年分のええトコ、ごきげんな店を存分にご紹介します。
巻頭では、東大寺、興福寺といった世界遺産が密集する奈良公園界隈や
古い町並みが残るならまち周辺を徹底ガイド。
後半では、郊外の蕎麦、パンのほか、地元住民愛用のレストランなども紹介。
奈良初心者はもちろん、2度目3度目の方も、地元住民も納得の一冊です。




むかしむかし、1人のオタクがおったそうな。
男が心酔していたものは、扇。

彼は、数千本とも言われる膨大な数の扇の名品を蒐集するのみならず、
扇の形をしたものなら何でも(と思われても仕方ないほど)集めたそうな。
扇形の食器から、扇の絵を散りばめたパネル(インテリア)、浴室のタイルも扇形、
果ては自宅に設けた「扇鴻の間」は欄間(らんま)や窓まで、冗談みたいに全部扇モチーフじゃった。

扇は、江戸琳派(江戸時代後期)を中心に、酒井抱一、鈴木其一、葛飾北斎、歌川国貞など
名だたる絵師が描いたものもコレクションしておった。

男の名は、鴻池善右衛門幸方どの。大阪の豪商・鴻池家11代目のお方じゃ。

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その鴻池家の一大コレクションが見られる展覧会「鴻池コレクション 扇絵名品展」[大阪市立美術館]で開催中です。  一足お先に拝見してきましたので、レポートを。

ずらり、琳派600.jpg

出品された約300点の扇のデザインの多様さは、およそ日本画であり得るすべてのテイストを一望できるのでは、
と思うほど。
わびさび的、現代的(モダン)、漫画的、金地に濃彩(桃山的)、浮世絵、墨彩、詩を書き添えたものなどが並び、
勝手に「自分が1番好きな扇」コンテストをしてみるだけでも楽しめます。

形態や手法もさまざまで、サイズや竹骨の本数の違いがあるのはもちろん、蒔絵(漆)の扇まであったのには驚きました!  「ちょっと重いのかしら?」とか思ったり。

扇特有の形や、最終的に山折り谷折りされてしまう点などから、絵師にとって他の画面形式よりも難しそうだと思っていたのですが、扇ならではのうまい構図こそあれ、形がネックにはなっていないのです。
絵師たちは巧みに描いて、むしろこの形の制約を構図の一助とさえしてしまっているものも。
私が想像していたよりももっと、当時扇というのはメジャーな絵画(屏風や掛軸と並んで)だったそうで、
書き手もそれだけ洗練されていたということのようです。

物想う美人&彼岸桜600.jpg



(左・上)鈴木其一「彼岸桜」 (太田記念美術館蔵)

これは「十二ヶ月図扇」という連作のうちの1点で、
2月の桜を描いたもの。
本展ではその12点すべて展示され、
月ごとの描き分けやモチーフの違いを楽しめます。






(左・下)葛飾北斎「物想う美人」(太田記念美術館蔵)

やはり、北斎の筆が描き出す"もの"の存在感と、
構図のセンスの良さには唸ってしまいました!





秋草 酒井抱一UP600.jpg


秋草 酒井抱一600.jpg

私の「勝手にコンテスト」優勝は、酒井抱一「秋草」(太田記念美術館蔵)。(上と左)

こちらは、表裏両面鑑賞できるよう、四方ガラス張りのケースで展示されています。

もともと大好きな、抱一の屏風「風雨草花図」同様に魅了されました!
屏風に近い世界観がこんな小さな画面に表現されていて、
しかも小さいからこその、枠外にはみ出しそうな迫力も見事。






ずらりと名品が並ぶ会場を見ていて、好きな絵画のポストカードを何枚も集めてしまうのに少し近いのかもなぁ・・・と思いました。
当然、扇とはいえ超有名絵師による作品なので、(大量複製されたポストカードとは違って)当時から高級品であったわけですが、屏風などより小さいことや、本来実用品であること(とはいえこれであおぐことはなかったでしょうが・・・)
などが、ぐっと作品に親近感を持たせるので、そう感じたのかもしれません。
抱一の名画で起こす風は、さぞ雅(みやび)な香りがすることでしょう...。はぁ、至福...。


それにしてもこれらを集めた幸方さん、冒頭で触れたとおりのかなりの「扇マニア(オタク)」だったようで、
その数はお金持ちの道楽の域を超えて、これで美術館1つオープンできそうなほど!
大阪人としては「扇やったら何でもええんかいっ!」とツッコミを入れたくなってしまうほどの偏愛ぶり。
一見ただの柵のようにしか見えない直線的な(自宅の)欄間(らんま)も、よくよく見ると柵の1本1本が閉じた扇だったりするから、もう笑うしかない! 「どんだけやねーん!」

愛すべきオタク! おもしろいです。
そしてこの展覧会、おすすめですのでぜひ!


※ 上述の欄間(らんま)は展示されていません。図録に写真が掲載されていますので、ご興味あらばそちらを。

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何百年ものち、幸方どのが集めた名品の数々は、アラサー女子(筆者)など多くの人の心にアートな風を起こしたそうな(扇だけに)。

めでたしめでたし。

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「鴻池コレクション 扇絵名品展」 2010年4月13日(火)〜5月30日(日) 大阪市立美術館
→ 詳しくはこちら

(fucuco)

※ 掲載している画像の無断転用・転載は堅く禁じます。

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